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Enhanced IGRP

EIGRPとは・・・・・・。

  1. EIGRPはリンクステートプロトコルとディスタンスベクタープロトコルの利点を組み合わせたシスコオリジナルのルーティングプロトコルです。
  2. EIGRPはIP、IPX、AppleTalkのネットワーク層の各Packetのルーティングに対応している。
  3. EIGRPはOSPFと同様にマルチキャストアドレスを使って運用トラフィックの大部分を伝播する。
  4. コンバージェンス高速化の為にDUAL(Diffusing Update Algorithm)を使用します。
  5. IP Packetを使ってルーティング情報をアドバタイズし、IPヘッダでプロトコル番号88を使用する。
  6. トークンリングやイーサネットなどのマルチアクセストポロジの他に専用線、ポイントツーポイント、NBMAなどのWANテクノロジー上でも動作する。
  7. VLSMアドレッシング、スーパーネッティングをサポートする。
  8. Defaultではメジャーネットワーク境界で自動集約します。
  1. デフォルトでは帯域幅と遅延に基づいたメトリックで宛先までの最適経路を提供する。
  2. コンバージェンスの時間が短くEIGRP Packetが使用する帯域幅の使用量が少ない。
  3. 定期的にアップデートを送信せずにNWの変化のみを送信する。
  4. 最大6つのメトリックの等しい経路又はメトリックの異なる経路を使った負荷分散を行う。
  5. 複数のNWプロトコル(IP,IPX,AppleTalk)をサポートする。
  6. ループのないトポロジ環境を保障する。
  7. VLAM、クラスレスルーティング及び不連続サブネット環境に対応する。
  8. ルーティングアップデートの認証をサポートする。
  9. IGRPと下位互換がある。

EIGRPの用語

EIGRPの用語又は概念説明
Neighbor相互に接続されており、アップデートを交換出来るルータ
Neighbor Table直接接続されているEIGRPルータのリスト。EIGRPルータはサポートされているネットワーク層のプロトコル毎に保持する。
HelloEIGRP Neighborを確立・管理する為に使われているマルチキャストデータパケット。
クエリー失われたNWの情報について隣接ルータに問い合わせる為に使われるPacket。
応答クエリーパケットに対する応答。
Ack確認応答。ACKはデータ部分を空にしたHello Packetで構成される。
Hold TimeルータがHello Packetを待機する時間。この時間が過ぎるとルータはNeighbor関係を終了する。
トポロジーテーブル宛先までの全ての学習済み経路が格納されたデータベース。設定されているルーテッドプロトコル毎に保持される。224.0.0.10宛で送信される。
ルーティングテーブル宛先までの最適経路を基に生成され、トポロジーテーブルから挿入されるデータベース。ルーテッドプロトコル毎に保持される。
SRTT(Smooth Round Trip Timeout)Packetを送信してからACKが返ってくるまでの平均時間(ms)
RTO(Retransmission Timeout)Packetを再送信するまでにEIGRPルータが待機する時間。
アドバタイズドディスタンスNeighborから受け取ったメトリック(Neighborから宛先NWまでのメトリック)
フィジブルディスタンス宛先NWまでのメトリック
フィジブルサクセサ最小メトリックの経路ではなく、2番目に良い経路。
サクセサPacketを送信するNeighbor router。サクセサはトポロジーテーブルからルーティングテーブルに挿入される最適経路。
アクティブ現在経路をルーティングテーブルに挿入して利用する事が出来ない状態。クエリーに対する応答が返ってこない時にこの状態になる。
パッシブルーティングテーブルに挿入し、利用することが出来るNWを意味する。
SIA(Stuck In Active)EGIRPクエリへの応答時間がかかり過ぎて破棄および削除される状態。

EIGRP Packet

EIGRPルータが使用するパケットには次の5種類があります。これらのパケットには、受信すると必ず確認応答を必要とする「高信頼性パケット」と、確認応答を必要としない「無信頼性パケット」があります。

EIGRPパケット経路発見

 RouterA                                       RouterB     
 ┏━━━┓                                    ┏━━━┓  
 ┃      ┃    ─────  Hello ────→    ┃      ┃  ルータAがHelloパケットを送信
 ┃      ┃                                    ┃      ┃  
 ┃      ┃                                    ┃      ┃  
 ┃      ┃    ←──── UpDate ─────    ┃      ┃  ルータBが全てのルーティング情報をルータAに送信
 ┃      ┃                                    ┃      ┃  
 ┃      ┃                                    ┃      ┃  
 ┃      ┃    ────── ACT  ────→    ┃      ┃  ルータAがルータBの更新に対する確認応答を行う
 ┃      ┃                                    ┃      ┃  
 ┃      ┃                                    ┃      ┃  
 ┃      ┃    ───── Update ────→    ┃      ┃  ルータAが全てのルーティング情報をルータBに送信
 ┃      ┃                                    ┃      ┃  
 ┃      ┃                                    ┃      ┃  
 ┃      ┃    ←───── ACK──────    ┃      ┃   ルータBがルータAの更新に対する確認応答を行う
 ┃      ┃                                    ┃      ┃  
 ┗━━━┛                                    ┗━━━┛

EIGRPの選択プロセス

  1. 帯域幅:送信元と宛先の間のリンクで最小の帯域幅
  2. 遅延 :経路の途中にあるIFの遅延の合計
  3. 信頼性:発信元と宛先の間のリンクの最低(最悪)の信頼性
  4. 負荷 :送信元と宛先を結ぶ接続上の負荷(bps単位)
  5. MTU :(Muximum Trunsmission Unit/最大転送ユニット)送信元と宛先の間のリンクのMTUで最小の値。

K1(帯域幅)=K3(遅延)=1 

および

K2(負荷)=K4(信頼性)=K5(MTU)=0

メトリックの計算でK5=0の場合には次の式に各K値が代入されます。

メトリック=(K1x帯域幅)+[(K2x帯域幅)/(256-負荷)]+K3x遅延

デフォルトの場合は
メトリック=(帯域幅+遅延)x256
帯域幅=10の七乗/bandwidth(単位はkbps)
また、K5が0で無い場合は
メトリック=(K5が0の場合のメトリック)x[K5/(信頼性+K4)]

コマンド

Router(config-if)#ip hold-time eigrp [autonomous-system-number seconds]  #ホールドタイマの設定をする
Router#show ip eigrp neighbors          #EIGRPの確認コマンドNeighbor関係で発生するステータス変化を見れる
Router#show ip eigrp topology           #EIGRPは複数のトポロジーテーブルを保持する。
Router#show ip eigrp topology all-links #全てのIPエントリを参照する。
Router#no auto-summary                  #自動集約の停止
Router(config-if)#ip bandwidth-percent eigrp [as-number] [percent] #帯域幅をパーセンテージで指定
Router(config-router)#time active-time [time-limit|disabled] #SIA状態に入りActive状態を維持する閾値
Router#show ip route eigrp              #EIGRPのルーティングテーブルを表示

variance multiplierルータコンフィググレーションコマンドを使用すると異なるメトリックの間でも可能になります。
multiplierキーワードは1~128の整数でDefaultは1である。サクセサ経路と比較して1ルータ経由のフィジブルディスタンス値を比較する条件と経路までの全体の値を比較して処理されます。
かりに Variance 2とした場合は上記二つの条件の2倍以内の範囲であれば負荷分散を行い、それ以上であれば行わない。


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